子育ての中で、子供の「困った顔」を見ることほど心に引っかかるものはありませんよね。
私も息子が小学生の頃、眉毛が下がって困ったような顔をよく見かけました。当時は本人も「なんでそんな顔をしてしまうのか、全然わからない」と言っていて、私もどう対応したらいいのか悩みました。
ですが、ある時、その困った顔の正体に気づいたんです。それは、息子が「わからないこと」に埋もれてしまっていたからでした。わからないことに直面したとき、人は不安やストレスを感じやすくなりますよね。
大人でも同じですが子供の場合は特に、その「わからない」が解決されないままだと、自分の中で整理がつかず、モヤモヤがどんどん大きくなってしまうのだと気がつきました。
息子の場合、勉強のやり方がわからなかったり、問題の答えがわからなかったり、日常生活の中で友達とけんかしたり悲しいことを言われたり、ママに怒られたり…いろんな「わからない」が積み重なって、整理が追いつかず困っていたのだと気づきました。
この発見をしてから、私は「小さなことでも丁寧に話す」ことを意識するようになりました。それまでは、どこかで「1から10まで全部言わなくてもわかるよね」と勝手に思い込んでいた部分があり、息子にとってはそれが負担になっていたのだと思います。
モヤモヤを整理するための工夫
まず始めたのは、息子が感じているモヤモヤを引き出すこと。そして、ただのオウム返しではなく、少し言葉を言い換えたり、「こういうことなんだね?」と確認して返してあげることでした。
この方法を取り入れることで、息子自身も「自分が何を考えているのか」を少しずつ整理できるようになり、次第に表情も明るくなっていきました。
私自身はモヤモヤしたとき、紙に書き出したりスマホのメモに残したりして整理しますが、子供の場合は「話すこと」が大きな助けになると感じました。特に親が言葉にして整理のお手伝いをしてあげることで、子供の心の中もすっきりするのだと思います。
また、具体的なトラブルや困りごとがあったときは、「自分の気持ち」と「相手の気持ち」を分けて考えられるよう、例え話を交えながら話すようにしています。
たとえば、「もし自分が逆の立場だったらどう感じると思う?」といった質問を投げかけて、いろんな角度から物事を考えるきっかけを作ることを心がけました。
日常の中で自然に会話をする
我が家では、特別に時間を設けるのではなく、日常の中で子供たちとたくさん会話をすることを大切にしています。ご飯を作りながら、ご飯を食べながら、洗濯物を干しながらなど、何気ない時間にいろいろな話をします。
オープンな雰囲気で会話をすることで、子供たちも安心して自分の気持ちを話せるようになったと感じます。
子供たちが成長してくると、お互いの学校生活の出来事や不安なこと、納得できなかったことなど、さまざまな話題を自然に共有するようになりました。
例えば、勉強面でわからないことも兄妹間で教えあったり、調べ方を共有したりする姿も見られます。
また、人間関係や感情面では「こんな風に考えたらよかったんじゃない?」とアドバイスしたり、「そうだよね、それは大変だったね」と共感したりすることで、モヤモヤを整理する力を少しずつ育んでいるのではないかと思います。
成長を感じる瞬間
息子も今では、自分で考えて整理したり、必要に応じて相談したりする姿が見られるようになりました。小学生の頃のようにただ困り果てるのではなく、自分なりに行動できるようになったのは、大きな成長だと感じます。
もちろん、いくつになっても親としてのサポートが必要な場面はあると思いますが、子供が自分自身で解決策を見つけたり、心の整理をつけられる力を身につけたことは、私にとってもとても誇らしいことです。
これからも日常の会話を大切にしながら、子供たちがどんな「わからない」にも前向きに向き合えるよう、寄り添っていきたいと思います。